ピルを飲んでいるのに不調?|知っておきたい栄養素の話
わたし(管理人のmiwa)がピルを飲み始めたのは、PMSがつらすぎたから。毎月生理前になると気分がどーんと落ち込んで、イライラして、肌も荒れて…。婦人科で相談して低用量ピルを処方してもらったときは、「これでラクになれる!」って本当にホッとしました。
実際、ピルのおかげで生理痛やPMSはかなり軽くなったんです。でも半年くらい経った頃から、なんだか別の不調が気になるように。「疲れが取れない」「気分の浮き沈みがある」「肌荒れが治らない」──ピルのおかげでPMSは良くなったはずなのに、なんで?
同じように感じている方、もしかしたらいらっしゃるかもしれません。
この記事では、わたし自身の体験を交えながら、ピルと栄養素の関係についてまとめてみました。
ピルと栄養の関係、知っていますか?
ピル(経口避妊薬)は、PMSの軽減や避妊、生理周期の安定など、たくさんのメリットがあるお薬です。わたしもピルにはとても助けられています。
でも、あまり知られていないのが「ピルの服用で特定の栄養素が消耗されやすくなる」ということ。
海外では以前から研究されていて、2013年にPalmeryらが発表したレビュー論文では、ピル服用者はビタミンB群・ビタミンC・ミネラル類の血中濃度が低下する傾向があると報告されています。
つまり、ピルを飲んでいる方は、飲んでいない方よりも意識的に栄養を摂ったほうがよいかもしれないということなんです。
ピルで血中濃度が低下しやすいとされる栄養素
研究で報告されている、ピル服用により血中濃度の低下傾向が見られる栄養素をまとめました。
| 栄養素 | おもな役割 | 不足気味になると起こりうる症状 |
|---|---|---|
| ビタミンB6 | セロトニン合成、ホルモン代謝 | 気分の落ち込み、イライラ、PMS様症状 |
| ビタミンB12 | 赤血球の生成、神経機能 | 疲労感、集中力低下、手足のしびれ |
| 葉酸 | 細胞分裂、DNA合成 | 貧血、口内炎、将来の妊娠への影響 |
| ビタミンC | コラーゲン合成、抗酸化 | 肌荒れ、免疫力低下、あざができやすい |
| マグネシウム | エネルギー産生、筋弛緩 | こむら返り、疲労感、頭痛 |
| 亜鉛 | 皮膚代謝、免疫、味覚 | 肌荒れ、抜け毛、味覚異常 |
| CoQ10(コエンザイムQ10) | ミトコンドリアでのエネルギー産生 | 疲れやすさ、息切れ |
※ 血中濃度の低下傾向が研究で示されていますが、「不足」かどうかは個人の状態によります。正確な評価には血液検査が必要です。
出典: Palmery M, et al. Eur Rev Med Pharmacol Sci. 2013;17(13):1804-1813.
なぜピルで栄養が減るの?
「お薬を飲んでいるだけなのに、なぜ栄養が減るの?」と思いますよね。おもに3つの経路が関係していると考えられています。
1. 肝臓での代謝が増える
ピルに含まれるエストロゲンは肝臓で代謝されます。この代謝プロセスでビタミンB群やビタミンCが補酵素として使われるため、消費量が増える可能性があると考えられています。
2. 腸での吸収が変わる
ホルモンの変化によって腸の働きに影響が出ることがあり、マグネシウムや亜鉛などのミネラルの吸収効率が変化する可能性が指摘されています。
3. 排泄が増える
ピル服用中はビタミンCや水溶性ビタミンの尿中排泄が増加するという報告もあります(Palan et al., 2010)。せっかく摂った栄養素が、体に留まりにくくなるイメージですね。
💡 ひとことアドバイス: ピルが「悪いお薬」というわけではありません。栄養面のケアを意識すれば、ピルのメリットをもっと活かせるということです。
「メンタルの浮き沈み」とビタミンB6の関係
わたしがピル服用中にいちばん困ったのが、気分の浮き沈みでした。PMSは軽くなったのに、なぜか普段から「なんとなく憂うつ」な日がある。理由もないのに涙が出そうになったり。
調べてみると、ビタミンB6はセロトニン(幸せホルモン)やGABA(リラックス物質)の合成に不可欠な栄養素。ピルでB6が消耗されると、これらの神経伝達物質が十分に作られにくくなり、気分の不安定さにつながる可能性があると報告されています。
Wilsonらのレビュー論文では、ピル服用者のうちビタミンB6の血中濃度が低い女性は、気分の変動を感じやすい傾向があったとされています。
また、ビタミンB6の補充がPMS関連の気分症状に対して一定の有用性を示したという報告もあります(Wyatt et al., 1999)。
わたしの場合、B群のサプリを飲み始めて1〜2ヶ月くらいで、「あれ、最近安定してるかも?」と感じるようになりました。もちろん個人の感想ですし、サプリの体感は人それぞれ。でも、あの頃の自分に「B6のこと調べてみて」と言ってあげたいです。
「疲れやすさ」とマグネシウム・CoQ10
もうひとつ困っていたのが、とにかく疲れやすいこと。朝起きても疲れが残っていて、夕方にはもうヘトヘト。休日もソファでぐったり…という日が続きました。
マグネシウムは、体内で300種類以上の酵素反応に関わるミネラルです。エネルギーを作るプロセスに欠かせないので、血中濃度が低下すると疲労感に影響する可能性があるとされています。
CoQ10(コエンザイムQ10)も、ミトコンドリアでエネルギーを作るときに必要な物質。Fallahらの2009年の研究では、ピル服用者はCoQ10の血中濃度が有意に低かったと報告されています。
わたしは「マグネシウムを意識して摂ろう」と思い立ち、まず食事でナッツ類や海藻を増やすことから始めました。サプリも併用して、少しずつ「夕方のヘトヘト感」が和らいだ気がします。
「肌荒れ」と亜鉛・ビタミンC
ピルを飲んでいるのに肌荒れが治らない──これもよく聞く悩みです。わたしも、あごまわりの吹き出物がなかなか消えなくて困りました。
亜鉛は皮膚のターンオーバーに深く関わるミネラル。亜鉛が不足気味になると、肌の生まれ変わりが遅れて、肌荒れが長引きやすくなると言われています。
ビタミンCはコラーゲンの合成に必要で、抗酸化作用もあります。Palanらの2010年の研究では、ピル服用者は非服用者に比べてビタミンCの血中濃度が有意に低かったと報告されています。
肌荒れの原因はいろいろですが、もし「スキンケアを頑張っても改善しない」と感じているなら、体の内側からの栄養面を見直してみるのもひとつの方法かもしれませんね。
私のサプリ選びの考え方
ここからは、わたしが実際に試してみたサプリ選びの考え方をシェアしますね。あくまでわたし個人の体験なので、参考程度に読んでいただけたら嬉しいです。
まず「B群コンプレックス」を基本に
ビタミンB群は互いに助け合って働くので、B6だけでなくB群をまとめて摂れるサプリが便利だと感じました。「ビタミンBコンプレックス」や「B-50」「B-100」といった名前で売られていることが多いです。
わたしが選ぶときに気にしたポイントは:
- B6・B12・葉酸がしっかり入っているか
- 活性型(メチルコバラミン、メチル葉酸など)だとなお良し
- 余計な添加物が少ないか
マグネシウムは「吸収型」を選ぶのもひとつ
マグネシウムにはいろいろな形態がありますが、わたしはグリシン酸マグネシウム(ビスグリシネート)を選びました。吸収率が高く、お腹がゆるくなりにくいと言われています。
- クエン酸マグネシウム:吸収は良いがお腹がゆるくなることも
- 酸化マグネシウム:安価だが吸収率は低め
- グリシン酸マグネシウム:吸収が良く、お腹にもやさしいとされる
亜鉛は少量からスタート
亜鉛は摂りすぎると銅の吸収を妨げるので、1日15mg程度から始めるのが安心です。食後に飲むと胃への負担も少なくなります。
💡 ひとことアドバイス: サプリはあくまで食事の補助です。まずは食事を整えることが基本。サプリを始めるときは、主治医のお医者さんに「こういうサプリを飲もうと思っている」と一言伝えておくと安心ですよ。
よくある質問
ピルと一緒にサプリを飲んでも大丈夫?
基本的に、ビタミンB群・マグネシウム・亜鉛などの一般的なサプリメントは、ピルとの深刻な相互作用は報告されていません。ただし、セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)はピルの効果を弱める可能性があるため避けてください。心配な場合は、処方してくれているお医者さんに相談してみてくださいね。
どのくらいで体調の変化を感じられますか?
栄養素が体に蓄積されるまでには時間がかかります。一般的に1〜3ヶ月は続けてみるとよいと言われています。わたしの場合、B群サプリは1ヶ月半くらいで「あれ、調子いいかも」と感じ始めました。ただし、体感には個人差がありますので、気になる場合は血液検査で数値を確認してみてください。
ピルをやめれば栄養不足は解消される?
ピルの服用をやめれば、ピルによる栄養消耗はなくなります。ただし、栄養状態の回復には数ヶ月かかることもあります。また、ピルをやめる判断はお医者さんと相談してくださいね。栄養面だけでピルの継続・中止を決めるのはおすすめしません。
血液検査で栄養不足はわかる?
ビタミンB12や葉酸は一般的な血液検査で測れることがあります。ビタミンB6やマグネシウムは通常の健康診断では測定されないことが多いので、気になる場合はお医者さんに「栄養状態を調べたい」と相談してみてください。
まとめ
ピル服用中の「なんとなく不調」について、わたしの体験と栄養面からまとめてみました。
- 研究によると、ピルは特定の栄養素(B群・Mg・亜鉛・ビタミンC・CoQ10)の血中濃度を低下させる傾向がある
- メンタルの不調にはビタミンB6が関係している可能性が報告されている
- 疲れやすさにはマグネシウムとCoQ10が関わっている可能性がある
- 肌荒れには亜鉛・ビタミンCの血中濃度低下が影響しているかもしれない
- 食事を基本にしつつ、サプリで上手に補うのも選択肢のひとつ
ピルは本当にいいお薬です。わたし自身、ピルのおかげでPMSがラクになり、毎月の不安が減りました。そのメリットをもっと活かすために、栄養面もちょっと意識してみませんか?
あなたの「なんとなく不調」が少しでもラクになりますように。
参考文献
- Palmery M, Saraceno A, Vaiarelli A, Carlomagno G. Oral contraceptives and changes in nutritional requirements. Eur Rev Med Pharmacol Sci. 2013;17(13):1804-1813.
- Wilson SM, Bivins BN, Russell KA, Bailey LB. Oral contraceptive use: impact on folate, vitamin B6, and vitamin B12 status. Nutr Rev. 2011;69(10):572-583.
- Palan PR, Strube F, Letko J, Sadikovic A, Mikhail MS. Effects of oral, vaginal, and transdermal hormonal contraception on serum levels of coenzyme Q10, vitamin E, and total antioxidant activity. Obstet Gynecol Int. 2010;2010:925635.
- Mahdavifar B, Hosseinzadeh M, Salehi-Abargouei A, Esmaillzadeh A. Dietary intake of B vitamins and their association with depression, anxiety, and stress symptoms: A cross-sectional, population-based survey. J Affect Disord. 2021;288:92-98.
- Wyatt KM, Dimmock PW, Jones PW, Shaughn O'Brien PM. Efficacy of vitamin B-6 in the treatment of premenstrual syndrome: systematic review. BMJ. 1999;318(7195):1375-1381.
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