「最近なんだか疲れやすい」「朝起きるのがつらい」「冷え性がひどくなった気がする」──そんな不調を感じていませんか?

もしかすると、それは鉄分不足のサインかもしれません。

日本人女性の約40%が「隠れ貧血(潜在性鉄欠乏)」とも言われています。健康診断では「異常なし」と言われても、実は体の鉄ストック(フェリチン)が少ないケースはとても多いのです。

この記事では、鉄分補給の選択肢のひとつである「ヘム鉄サプリ」の選び方を、わかりやすくご紹介します。

ヘム鉄と非ヘム鉄の違い

鉄分には大きく分けて2種類あります。

ヘム鉄 非ヘム鉄
含まれる食品 赤身肉、レバー、あさり ほうれん草、小松菜、ひじき
吸収率の目安 15〜35%程度 2〜20%程度
胃への負担 少ない傾向 やや多い傾向
サプリの特徴 飲みやすい 安価だが胃腸トラブルが起きやすいことも

※ 吸収率は食事内容や体内の鉄貯蔵量などによって大きく変動します。上記は一般的な範囲の目安です。

ヘム鉄は動物性の鉄で、一般的に非ヘム鉄と比べて吸収率が高いのが大きな特徴です。サプリメントで鉄分を補給するなら、ヘム鉄タイプを選択肢のひとつとして検討してみてもよいでしょう。

鉄分不足のサインを知ろう

以下の症状に心当たりはありませんか?

  • 疲れやすい、だるさが取れない
  • 朝起きるのがつらい
  • 手足が冷える
  • めまいや立ちくらみがある
  • 肌がくすむ、爪が割れやすい
  • 髪がパサつく、抜け毛が増えた
  • 集中力が続かない
  • イライラしやすい

これらの症状は鉄分不足と関連があるとされていますが、他の原因で起こることもあります。気になる場合はお医者さんに相談して、血液検査で確認してみるのがいちばん確実です。

フェリチン値を知っていますか?

健康診断の「ヘモグロビン値」が正常でも、体の鉄の貯蔵量を示すフェリチン値が低いケースがあります。これが「隠れ貧血」と呼ばれる状態です。

  • フェリチン 30ng/mL未満: 鉄ストックが少なめ。不調を感じやすいとされる
  • フェリチン 50ng/mL以上: 理想的な鉄ストックとされる

一般的な健康診断ではフェリチンは測定されないことが多いため、気になる方は次の受診時にお医者さんに「フェリチンも測ってほしい」と伝えてみてくださいね。

ヘム鉄サプリの選び方 3つのポイント

1. 鉄の含有量をチェック

厚生労働省の推奨量は以下の通りです。

  • 月経あり: 10.5mg/日
  • 月経なし: 6.5mg/日
  • 耐容上限量: 40mg/日

サプリを選ぶときは、食事からの鉄分摂取量も考慮して、1日あたり5〜15mg程度を目安にするとよいでしょう。

2. ビタミンCが一緒に入っているものが便利

ビタミンCは鉄の吸収を助けてくれると言われています。ビタミンCが配合されたヘム鉄サプリなら、別々に飲む手間が省けて便利です。

もちろん、食事でビタミンCを意識するのもOK。柑橘類やキウイ、パプリカなどと一緒に摂るのもひとつの方法です。

3. 添加物や品質をチェック

長く続けるものだからこそ、余計な添加物が少ないものを選びたいですね。以下をチェックしてみてください。

  • GMP認証を取得しているか
  • 第三者機関のテストを受けているか
  • 不要な着色料や香料が入っていないか

飲み方のコツ

  • 空腹時(食間): 一般的に吸収率が高いとされる
  • 胃が気になるとき: 食後でもOK。続けることが大切
  • 避けたい飲み合わせ: お茶やコーヒーに含まれるタンニンは鉄の吸収を妨げるとされています。30分〜1時間は間をあけて
  • カルシウムとの同時摂取も避ける: カルシウムも鉄の吸収を競合するため、時間をずらすのがベター

変化を感じるまでの目安期間

鉄サプリで体調の変化を感じるまでには、一般的に2〜3ヶ月かかると言われています。体内の鉄ストック(フェリチン)がしっかり回復するには時間が必要です。

「1〜2週間飲んで変わらないからやめた」という方も多いですが、焦らずゆっくり続けることがポイントです。変化の感じ方には個人差がありますので、気になる場合は血液検査で数値を確認してみるのが安心です。

食事でも鉄分を意識しよう

サプリメントだけに頼らず、食事からも鉄分を摂ることが大切です。

ヘム鉄が豊富な食品

  • 豚レバー(13.0mg/100g)
  • 鶏レバー(9.0mg/100g)
  • あさり(3.8mg/100g)
  • かつお(1.9mg/100g)

非ヘム鉄が豊富な食品

  • 小松菜(2.8mg/100g)
  • ほうれん草(2.0mg/100g)
  • 納豆(3.3mg/100g)
  • 木綿豆腐(1.2mg/100g)

出典: 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

よくある質問

ヘム鉄と非ヘム鉄のサプリ、どちらを選べばいい?

初めて鉄サプリを試す方には、胃への負担が少なく吸収率が高いとされるヘム鉄を選択肢として検討してみてください。非ヘム鉄は価格が安いメリットがありますが、胃腸の不快感が出やすい傾向があります。

鉄サプリを飲むと便が黒くなるのは大丈夫?

鉄サプリを飲むと便が黒くなることがありますが、これは吸収されなかった鉄が排出されるためで、体に問題はありません。

妊娠中でも飲めますか?

妊娠中は鉄の必要量が増えるため、鉄サプリは有用とされています。ただし、用量や種類についてはお医者さんに相談してから始めるのが安心です。

男性でも鉄サプリは必要?

男性は月経による鉄損失がないため、一般的に鉄不足になりにくいです。ただし、激しい運動をする方やベジタリアンの方は不足する可能性があります。気になる場合は血液検査で確認してみましょう。

まとめ

鉄分不足は、疲れやすさ・冷え・肌トラブルなど、さまざまな不調と関連があるとされています。特に月経のある女性は、意識的に鉄分を補給することが大切です。

ヘム鉄サプリを選ぶポイントは3つ。

  1. 鉄の含有量が適切か(5〜15mg/日目安)
  2. ビタミンC配合で吸収をサポート
  3. 品質・添加物をチェック

まずは食事を整えつつ、必要に応じてサプリメントで上手にサポートしてみてくださいね。


参考文献

  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
  • 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
  • 日本鉄バイオサイエンス学会